譲る・受け取る苦悩と覚悟

2019.12.11

事業承継のまさにタイミングを迎えている企業・組織は多いのですが。

 

 

今日、打ち合わせとご挨拶をかねて伺ったクライアント先。創業者と事業を承継する2代目、そして、役員のお母様・・・4人でお話させていただきました。

 

 

まだまだとがんばっておられた創業者・・・病気で倒れられて、数年間闘病生活を送られていたようです。実質現場は任されていたけれど、復活されると口も出てくる。すると戸惑う二代目。多分こんな構図だったんでしょうね。

 

 

いざ、その時を迎えようとしているのに、腹が決まらない二代目。
創業者が退室されて、3人でお話をしていて思わぬ展開に。創業から夫婦で走り続けてきたから、ゆっくりと話をする時間も持てていなかったと。

 

 

初めて、改めて母としてのお気持ちと、父の心の声を代弁しておられました。涙ながらのお詫びとあたたかい言葉・・・思わず貰い泣きしてしまいました。

 

 

社研時代から、中国・四国、関西など、多くの経営トップにお会いしてきました。大手、中小企業・・・日本の99%は中小企業ですから。その中でも、創業者、二代目、三代目、中継ぎ社長、事故などにより急遽就任された社長・・様々な事情や葛藤は聞かされてきました。

 

 

譲る苦悩と覚悟、引き継ぐ苦悩と覚悟。それは当事者のみなさんでなければ想像さえもつかないものがあると感じます。第3者として、その覚悟を後押しする役目ですが。

 

 

昭和を力強く、より良い会社や社会にしようと走ってきたトップ・・・すでに事業承継を無事済ましておられるとこともありますが、実は、スムーズにできていないところも多いようです。

 

時代変化の中で譲る苦悩と覚悟、引き継ぐ苦悩と覚悟。何が正しのか、正解はわかりませんが・・。松下幸之助さんは、「松下電器は何の会社か?」と聞かれた時に「松下電器は人を作る会社です。あわせて電気製品を作っています」と答えなさいと社員に教えていたという言葉を思えています。

「三流は金を残し、二流は事業を残し、一流は人を残す」という言葉もよく知られる言葉ですが、それは後藤新平さんが言った言葉だそうです。正確には「よく聞け、金を残して死ぬ者は下だ。仕事を残して死ぬ者は中だ。人を残して死ぬ者は上だ。よく覚えておけ」という言葉だったそうですが・・・。

 

 

時の流れとともに、受け継がれていく事業。やっぱり人を作り育てることで、事業は受け継がれていくのではないかと感じました。であれば、バトンタッチは、しっかりと事前に計画的に進められていかなくてはならないのではと感じました。

 

 

今日もブログに来ていただきありがとうございます。