2012年 リオール通信145号より
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≪自分基準はいつも正しいか≫-78-
「私は・・・・だと考えます」
きちんと自分の考えを伝えることができることはとてもいいことです。
何を考えているのか、聞かれても答えない、
答えられない人もたくさんいるのですから。
意見を言える自分である人だからこそ考えてみたいことがあります。
先日も、部下育成に悩む管理職の方との面談中、
「何でわからないんだろう?おかしいと思いませんか? 私だったらこう考えるのに」
という言葉。 数回目になる対面スーパーバイジングです。
初回から何度もでてくる言葉なので目の前で言語を文字にして
「あなたのいう事はもっともだとは思います。
それで、こんな考え方もあると思うのですが・・・」
と返すと
「え〜〜ぇ? そんなことは一度も考えたことはない」
改めて≪私だったら・・・≫という相手の言葉を文字にしたものを見せながら、
「一見相手を尊重しているように聞こえますが、
自分基準に当てはまらないものは全て×としていませんか?」
と言うとハッとした表情になりました。
それでもなかなかそれを認めたくないようで、
「じゃあ、あれもOK,これもOK、何でもOKにしなきゃいけなくなる・・・
あり得ない。どうしろと言うのですか!」 とふん詰まり状態。
私たちは、人それぞれ自分なりの考え方をもっている・・・
と頭ではわかっているつもりでも、実はなかなか受け入れられない。
人間は 自分基準でモノゴトを判断する習慣があるということです。
≪個≫を大切にすることを話すと、そんな事をしていて組織はなりたたない
とおっしゃる方や、逆に自分が思うままの行動をしていいと勘違いする人がいます。
どちらも“共感力““共生力”に欠ける我が儘な自分基準を大切にしている人です。
相手の意見を受け止める。 それは、何でもかんでもいいというのではなく、
考えに共感した上でお互いにとってのベターのチョイスをする。
チームはどのゴールに向かっていきたいのか、何のためにそこに向かうのか、
チーム組織の倫理はどこに価値を置いているのか・・
そこが基準ではないでしょうか。
自分の価値基準を持つことはとても大切なことです。
その上で、多角的に事象を見てみることも必要です。
私たちは 神ではないのですから。
結構、神様発言の方をお見受けしますが(笑)
自分の意見や考えが通らずイライラする時こそ、
今一度 自分が大事にしたいことと相手の大事にしたい事や周囲の考え、
そしてチームで向かっていきたいゴールを明確にしてみませんか?
報恩感謝。