アウトローの学び“大事なことはみんなお客様から教わった”
≪立場…≫ その35― リオール通信 2007年10月 102号より
時間をかけて育てられた部長はスタッフからの信頼もあつい。
彼は誰もが認めるアイデアマンでもあり数々の企画で周囲をお客様をアッと驚かせてきた。 ただこの一・二年数字の停滞に頭を痛めていた。
何がどう違うのか…。 明らかに違うのは ナンバー2が不在になったこと。
次々とあみ出すあの手この手をそのナンバー2はすぐに実行、結果へとつなげてくれていた。
企画は一番面白がり先頭に立ちバカになってくれてもいた。
その右腕を失ったというより、その右腕が巣立っていってしまいそれに代わる部下が育ってないのが事実だろう。
細部に渡り自身の目で、動きでカバーしなければいけない状態の中で、
身動き取れない状況を自分で作り出していたのかもしれない。
メンバーのポジションの一時的入れ替えを提案してみた。
ハッとした顔で彼は口を開く。
「上にあがると、だんだん誰も何も言ってくれなくなるんですよね!
ほんとうに何も言われなくなって…」 提案の良し悪しではない。
一時的にフリーズして固まってしまっている自分に、
違う角度からモノを見てみたらどう?…それがヒントになったのだ。
その数日後、その会社の社長とお会いした。
その社長が 「やっと人の話が素直に聞ける状態になったよ」と・・・
不思議なタイミング。
そのステージで求められる決断や判断は役割で大きさが違う。
しかしトップに近づけば近づくほど情報の流れが停滞してしまうのもよくある話。
情報の流れが悪くなると上に立つ人間は正しい判断が下しにくい。
現場に求めても煙たがりなかなか上げてはくれない。
一歩間違えると裸の王様 だ!
自分とて同じ事が言える。
上下の隔たり無く人の意見を聴く謙虚さ、
いいことはすぐに実行する素直さ、
責任のもとでの判断力…その自分を支える精神力・・・。
見えにくくなる自分の姿を客観視する柔軟性が必要だと。 報恩感謝。