あたりまえ

2008.09.03

あたりまえ

あたりまえ こんなすばらしいことを
みんなは なぜ よろこばないのでしょう
あたりまえであることを

お父さんがいる お母さんがいる
手が二本あって 足が二本ある
行きたいところへ 自分で歩いてゆける
手をのばせば なんでもとれる
音が聞こえて 声がでる
こんな幸せがあるのでしょうか

しかしだれもそれをよろこばない
あたりまえだと 笑ってすます

食事がたべられる
夜になるとちゃんと眠れ そして又 朝が来る
空気を胸いっぱいにすえる
笑える 泣ける さけぶこともできる
走りまわれる みんなあたりまえのこと 

こんなすばらしいことを
みんな決してよろこばない

そのありがたさを知っているのは それを
失くした人たちだけ なぜでしょう あたりまえ

−悪性腫瘍大腿部切断 三十七才で死亡 
 医師 井村和清さんの詩ー
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プルデンシャルの岡村氏が 「絶対にあなたが喜ぶモノがある!」と案内してくれた、古いスナック喫茶のトイレに貼ってあった詩です。

動けなくなるほど・・・心が痛くて。
≪あたりまえ≫って、自分の中の勝手な判断で決めた基準を自分の≪あたりまえ≫にしてるんだって思った。

でも、本当の≪あたりまえ≫ってなんだろう。
もっとシンプルで普段に日常生活の中にある【生きる】という生理的欲求が満たされているだけでも凄いことなのではないか・・・。

一つ満たされれば、また更にさらにと加速してきている自分の欲求! 
今こうして生きていることにさえ感謝できずに、もっと、もっとと欲求に目がくらむ。

そんな自分を教えてくれた、強烈な詩でした。