二月のあかり ‐石垣 りん‐
二月には
土の中にあかりがともる。
遠足の朝など
夜明けの
まだ暗い空の下で
先に起き出したお母さんが
台所のデンキをつけるように
旅のしたくを始めるように。
二月にはぽっかり
土の窓にあかるいものがともる。
もうじき訪れる春を待って。
草の芽や
球根たちが出発する
その用意をして上げるために
土の中でも
お母さんが目をさましている。
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2010年2月20日朝日新聞
≪天声人語≫に紹介されていた石垣りんさんの詩です。
二月には 土の中にあかりがともる。
その一節を読んでいて
寒い朝に目覚めた時に感じていた
台所からのほんわかとした温もりとやさしいお味噌汁の匂いを思い出しました。
高校からは寮生活に入ったこともあり、
どこかに忘れ去っていた大事なものを
思い出したような気がします。
雪が降った日には、父が早くから道路までの雪掻きを
母は早くから部屋が温もるようにとストーブをつけて
遅れないようにと早目の朝食の準備をしてくれていた。
そうやって大事に大事に育てられてきたんだよなぁ。
目の前の現象や状況に振り回されて
そんな温もりややさしさを忘れてしまいがちな自分に
気づかせてくれました。
土の中から 動植物が活き活きと這い出してくるのも
あと少し・・・もうじき春が来る!
さぁ 元気だして背中を伸ばして顔晴りましょか(*^^)v