[先生の大きな手] 大阪府寝屋川市/西山さんのお話
今から三十年あまり前のことになります。
小さいときに父を亡くし母も事情があったため、私は母方の祖父母の家にあずけられていました。そんな状況の中、中学の修学旅行に行かせてほしいなどは、祖母に話すことができませんでした。
「乗り物に酔うから修学旅行には行かない」と言う私に、母を知っていた国語の先生が見るに見かねて、祖母に「友達と行くのはこれが最後だから、是非行かせてやってほしい」と知らない間に頼みにきてくださいました。
そして、友達と楽しい修学旅行に大阪・京都へ行かせてもらうことになったのですが、さがに小遣いまでは、みんなと同じ金額は持って行けず、友達がいろいろ楽しそうにおみやげを買っているのを遠くから見ているだけでした。
そのとき、国語の先生がそっとそばにきて私の手に百円札を三枚にぎらせてくれました。「おみやげに何か買っておいで」と言って、私の手をしっかり握ってくれた先生の手のあたかかったこと。私もそのお金を持って友達の輪の中に入って行きました。
そのころの三百円は私にも先生にしてもたいへん大きな金額だったと思います。それを友達にもわからないようにそっとにぎらせてくださった先生。今でもそのときの先生のあたたかかった手の大きかったこと、心からの思いやりを忘れることができない私です。
発行/2005.11.30
素晴らしい人生のために/今日の応援歌【第302号】より 配信■まぐまぐ 0000026706 http://www.mag2.com/
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ほんわか心温まるお話に感動しました。
小学校時代、鍵っ子の私に大好きな井岡先生がお家に招待してくださいました。嬉しくて嬉しくて・・・。娘さんと糸手毬を作ったり、夜は一緒に眠りました。小さな秘密はとても大きな勇気をくれました。≪いつもあなたを気にかけてるよ!≫というメッセージになってかけがいのないストロークを戴いていたのだと感じます。その井岡先生も80歳を越されたとか・・・みんなに呼びかけて同窓会をしたいと思う今日この頃です!